株式会社トーカイは、最先端の薄膜技術でオプトエレクトロニクス分野をリードし続けています。金属スパッタ膜蒸着も可能。情熱をいっそう強く持って事業展開をしています。

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成膜工程

●真空蒸着(法)って何?

真空蒸着(法)とは、真空中で金属や酸化物などの材料を加熱して、蒸発・昇華させて、基板の表面に蒸発、昇華した粒子(原子・分子)をを付着または堆積させて薄膜を形成する技術です。
一般的な使用例ですと、眼鏡レンズに付いている反射防止コートやブルーライトカットコートなどがイメージされやすいかと思います。
真空薄膜加工は真空環境の中で行いますが、理由は大気中の水の分子があると気化された材料分子の妨げになり、
膜の密着性と膜質低下に繋がってしまうからです。

【蒸着の原理】

水を鍋に入れ加熱すると水蒸気となって蒸発します。その上に基板を置くと水蒸気が付着して水の膜ができます。
蒸着の場合は水ではなく、金属や酸化物などを加熱して蒸発気化させ、基板に薄膜を形成します。
水は100℃で沸騰しますが、金属や酸化物の場合は溶かすだけで数百℃以上、蒸発や昇華させる為に数千℃の温度が必要です。
そのため、容器を減圧して気体分子も減少させた真空状態が必要です。
蒸着される基材はガラス、樹脂等で、ドームと呼ばれる傘状の治具にセットされます。基板やレンズなどの製品がドームにセットしますが、当社では様々な製品サイズに対応出来るドーム、治工具を所有しております。

【主な真空蒸着法の方式】

抵抗加熱式
  • 低融点材料に適しています。
  • Mo、W、Ta等でできた高融点材に、蒸着材料を入れ通電させて気化させます。
電子ビーム式
  • 高融点材料に適します。
  • ルツボに蒸着材料を入れ、加速された電子ビームを照射し、気化させます。
イオンアシスト式
  • 電子ビーム式を基本とし、イオン銃(ガン)でイオン化したガス粒子を基材に照射して膜質を良くする方法です。
  • 抵抗加熱式、電子ビーム式は成膜後に水分の影響により、特性が変動しやすい傾向にあります。
    イオンアシストをすることにより機密な膜となり、水分による特性変動も無く、密着性も高く良好な膜が得られます。

当社としては、主にイオンアシスト式の蒸着にて加工しております。
蒸着時に於いては、膜質の品質安定及び再現性向上の為に、適正温度への加熱、開始真空圧、イオン銃(ガン)条件等のパラメーターが重要になります。

装置の大きさによって使用されるドームが変わりますが、当社では主にドーム直径φ1150とφ1400の装置を使用しております。

● スパッタリングって何?

一般的な蒸着の場合は、蒸着する物質は個体⇒昇華⇒気体(分子・原子)⇒膜形成のプロセスとなりますがスパッタリングの場合は個体⇒分子・原子⇒膜形成のプロセスとなり、蒸着とは大きく異なります。
ターゲットと呼ばれる成膜材料にイオンを高速で衝突させて分子を叩き出し基材に形成していく作用になります。
真空中で不活性ガスを導入、ターゲットと呼ばれる成膜材料にマイナスの電圧を印加してグロー放電を発生させ、不活性ガス原子をイオン化し、ターゲットの表面にガスイオンを衝突させて叩き、成膜材料の粒子(原子・分子)を激しく弾き出し、基材・基板の表面に付着・堆積させ薄膜を形成する技術です。
真空蒸着法では困難な高融点金属などの成膜が可能です。

スパッタリング過程の略図

スパッタリングの特長

  1. 成膜した基材との付着力が強い
  2. 膜が緻密に形成され膜質が強い
  3. 成膜プロセスの再現性がよい
  4. 蒸着で困難な高融点材料の成膜が可能
  5. 蒸着と比較し、成膜プロセスのスピードが速い

フォトリソ工程(パターン成膜)

フォトリソ工程(レジスト/リフトオフ)と蒸着技術を併用し、パターンを有するフィルターを高性能に製作可能。

作業環境/保有設備

様々な成膜技術と組み合わせて高精度なパターンフィルター/ミラーを製作します。

スーパークリーンルーム ISOクラス1

【工程流れ】*設備紹介

最大対応サイズ:Φ6in / 最大基板厚さ:25mm(プリズム対応可能)

  • 1)レジスト剤塗布(スピンコーター)
  • 2)露光(マスクアライナー)
  • 3)現像(サーキュレーター)
  • 4)検査
パターン精度(ダイクロ膜 L/S)

L/S=最大1μmの精度まで可能。

  • 50μm
  • 10μm
  • 5μm
  • 2μm
  • 1μm
境界線精度(滲み)

メタルマスクとの比較(弊社比較)

  • メタルマスク品
  • フォトリソ品
パターン例
  • 1)ダイクロ/遮光膜
  • 2)ARMC/遮光膜
  • 3)ミラー膜/吸収膜/ARMC

ダイシング

一般的には半導体ウエハーの製造プロセスの一部として知られている工程になります。

当社では蒸着またはスパッタリングにて成膜加工された主にガラス材製品の基板を切断しチップ化しています。
外形サイズの小さい製品は原寸サイズでの加工が困難である為、大きめの状態で成膜した後に切断する流れになります。
加工方法として、当社では薄い砥石を高速回転させ切断するブレードダイシングにて切断加工しています。

●組立工程

当社では、お客様のご要望に応じてフィルター、ミラー等のユニットへのアッセンブリについて対応させて頂いております。
作業はクリーンルーム内で行ない、また光学部品の取り扱いになれた作業者が行なう為品質の良い仕上がりでお客様よりご評価頂いております。

高精度の赤外フィルター製造、販売はもとより、顧客様の希望に応じ、協力先と連携し、より付加価値の高いモジュール製品まで提案可能です。
私だちの製品は医療、セキュリティ、鉱業、電子電力、車載など様々な分野に組み込まれています。
ガス、水分、放射温度計等の計測機器を用いて、ハイテクノロジーで防犯、防災、自動化、便利なスマートライフ、スマートシティを実現できます。
焦電型、サーモパイル、NDIR式、さまざまの方式でガス検知器、非接触式温度検知など幅広い分野に応用されます。
希望仕様に合わせて特注を承る他にカタログ品も豊富。

製品例

1. IRTS3F5Aサーモパイル特徴:NTC校正不要、高い再現性、耐久性、応答性。小型のTO46キャップにてサーミスタを内蔵したパッケージで、温度補償機能があります

GS302M-SD:NDIR方式で光路、電気回路、ソフトウェアの3つを搭載した汎用型のC02センサーモジュールであります。特徴:コンパクト、長寿命かつ高応答性、高感度、非線形温度補償機能があります

洗浄工程

1.精密洗浄について

弊社は、高性能超音波設備を搭載した洗浄装置を保有しております。
様々なガラス製品の精密洗浄工程のみの依頼も承ります。


~精密洗浄とは~ 部品表面の付着物を純水及び超音波などで洗浄を行う工程。洗浄剤、純水槽、IPA槽、ペーパー乾燥槽遠心分離乾燥槽保有。

球面波の超音波発信器を採用 超音波は硝子にキズの入りにくい球面波が特徴の超音波発信器を搭載しております。
球面波振動で強力な超音波の波動が洗浄槽内に均一に広がり洗浄ムラを防ぎます。

また、周波数を±1kHzの幅で変動させるスイープ機能を搭載しております。
スイープ機能はエネルギー分布と洗浄性を向上させるランダムな波長パターンを生み出し、より優れた洗浄を可能にします。

スイープモードを用いると、超音波発信器の動作周波数を一定の幅で振らす事が出来ます。
スイープモードでは動作周波数が±1kHzの幅にわたり推移する為、より均一な洗浄効果が得られます。

軟硝材の洗浄 これまでの軟硝材の洗浄は溶剤による手拭きが一般的でしたが、弊社の高性能超音波設備により洗浄が可能となりました。
一般硝材からCaF2やFPL51等の高摩耗度の軟硝材まで、ガラスの洗浄は何でもお気軽にご相談下さい。

小径~大径基板の洗浄 小径基板(φ3.5~)から大径基板(φ300程度)まで洗浄可能な大容量洗浄槽で、様々なサイズの基板洗浄が可能です。
その他異形の基板も対応可能ですので何でもご相談ください。

樹脂基板等の洗浄 IPAベーパー乾燥槽の他に遠心分離乾燥槽(スピン乾燥)も保有しております。
熱に弱くベーパー乾燥槽を通せない基板(樹脂基板等)も洗浄する事ができます。
また、弊社洗浄機に使用しております純水は通常の純水と比べより純度の高い”超純水”を使用しております(比抵抗値18.2MΩ)。
不純物を極限にまで減らした水質で洗浄しますので従来装置と比べ高い洗浄品質をご提供致します。

コーティングは勿論、精密洗浄のみの依頼も承りますのでお気軽にご相談ください。

2.その他洗浄について

弊社は、自社で使用する治工具の様々な汚れを除去する技術を応用して、様々な汚れ落としをチャレンジします。
金属、ガラス、プラスチックに付着した汚れを剥離します。 例:治工具にこびり付いた研磨材の除去

3.洗浄剤の提案

弊社使用している洗浄剤メーカーとの連携にて、硝材に適した洗浄条件含めた洗浄剤の提案を行います。
取り扱い:光学ヤケ落とし洗浄剤/光学洗浄剤/アルカリ剥離剤

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